答え
門徒さんから、家の建て替えや引っ越しで、お仏壇を動かすので魂を抜いてください、入れてくださいとかお願いされることがあります。真宗ではお仏壇の魂を入れたり抜いたりすることはありませんよとご説明をしてからお勤めをするように心がけています。
さて、御移徙(おわたまし)とは、もともとは、貴人が新居に転居することをさす尊敬語であったそうですが、そこから転じてお仏壇に阿弥陀如来をお迎えすることを意味する言葉となりました。
真宗門徒は「お仏壇」に阿弥陀如来を御本尊として安置して「お内仏」と呼んで大切にしてきました。阿弥陀如来は色も形も匂いもなく、私たちを救おうとする真実のはたらきです。お内仏はお浄土の世界を形であらわしたものです。ご先祖様方は、日々生かされていることに感謝して礼拝し、家庭生活の拠り所として受け継いできました。
御移徙では、お荘厳(荘り付け)をします。上机(うわじょく)・前机(まえじょく)には打敷(うちしき)をかけ、五具足(ごぐそく):(花を一対・香炉・鶴亀の燭台を一対)を整えてお勤めをします。お内仏の大きさによっては三具足(みつぐそく)でもよいと思います。一生の間に何度もあるようなことではありませんので、できるだけご家族集まってお手次のご住職を招いて大切にお勤めいただきたいと思います。
(第15組 安通寺 楠本 史朗)