答え
「終活」がメディアで取り上げられるようになり、実際にご相談を受けることが増えました。ひとえに「終活」といっても様々な内容がありますが、私は僧侶ですので、お葬儀や納骨(お墓の管理)、お内仏に関するご相談を多くお聞きします。
「家族が月参りやお墓詣りに関心がなく、お墓の維持等を負担に思うかもしれません。お墓やお内仏は整理(処分)したほうがいいのでしょうか?」
ご相談をお聞きする中で、総じて「家族に迷惑をかけたくない」という思いが、皆さんの中に見受けられます。一方、ご自身でお墓などの整理をしておいたものの、ご遺族の思いとは異なり、新たにお墓やお内仏をご用意されたケースもお聞きします。ご自身が思う「迷惑」は、遺される方々にとっても本当に「迷惑」でしょうか。お葬儀や納骨、ご家庭に安置されているお内仏の前に座り、亡き方を偲び感謝する仏事に出遇うのは、ご遺族となる方々です。その大事な仏事のご縁への関わり方を、自分一人で決めて満足しても、どう思われるのかはわかりません。
終活をするにあたって一番大切なのは、ご遺族となる方々とよく話し合うことです。「私が亡きあとのことは、おまかせいたします」という心をもって話し合っていただき、遺される方々が仏事に出遇うご縁を大切にしていただければと思います。
(第12組 慈恩寺 墨林 尚顕)
