「Q&A」畳一畳ほどある先祖代々の仏壇を処分して、タンスの上にのるような小型の仏壇を買い求めたいが、どうでしょうか?

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答え

 

「仏壇は大きくすることはあっても小さくしてはいけない」などや、「由緒正しい仏壇を処分することは断じて許されない」といった風習は現代では受け継ぐことが難しくなってきました。以前のように日当たりのよい南向きの仏間を確保することもままならず、生活スタイルの多様化によりマンション、アパートなどに住むことも多くなっています。

お仏壇は「仏さまをお祀りする小さな寺」「ご先祖様のおうち」などと捉えられますが、本来は「阿弥陀仏のお浄土」を表現しています。お身内の諸仏をご縁として阿弥陀仏におまかせするということを何度も何度も確認する行為がお仏壇の前に座るということではないでしょうか。

昔は「重厚長大」大きいことはいいことだの時代でしたが、現在は「軽薄短小」何でも軽く薄く小さなものの時代です。コンピューターも大型のものが今や手のひらサイズのスマートフォンが性能も上回っています。巨大な観音様の像も撤去されようとしています。ミニチュア・アートなど小さければ小さいほど素晴らしいと絶賛されるものもあります。お浄土の世界を表現しているお仏壇もどんなに巨大なものとしてもそれはミニチュアサイズであり、それだけお浄土が壮大な世界だと言えましょう。

小さくなるとかタンスの上だとかを負い目、引け目に感じる必要はなく、先祖代々のお仏壇を引き継ぐことよりも大事なことは「ぜんぶ阿弥陀さんにおまかせするのだ」という念仏のおしえを引き継ぐことではないでしょうか。

(第7組 本照寺 沖野 賴唯)