「Q&A」浄土真宗では朱印をしないのはなぜですか?

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答え

 お寺にお参りすると、お参りの記念に朱印をいだだけるとお思いの方もおられるでしょう。そのなかで、朱印をいただけないというのはなぜなのか疑問に思われるのは当然だと思います。なぜ朱印をしないのか、朱印集めの意味や内容が大きな理由となっています。

 まず朱印は「納経印(のうきょういん)」が起源と言われています。お寺にご利益を求めて経典を奉納した証明としてお寺からいただく印が最初と言われています。これでは、仏法を聞く場所としてお寺にお参りするのではなく、ご利益を求めるだけのお寺になってしまうのではないかという危惧があります。

 また次の理由としては、朱印集めをスタンプラリーとしてしまうことになりませんかということです。朱印をたくさん集めればいいとしてしまいませんかということです。集めた朱印を見て「ここはお参りしたから別のところへ行こう」ということになるかもしれません。朱印がたくさん集まれば達成感は得られますが、集めた後はお寺にお参りするでしょうか。つまり、自分の欲望をみたしたいだけのお寺参拝になってしまうことが問題だということです。

 では、お寺に参拝する本当の目的とは何なのでしょうか。それは、仏さまの教えを聞き、仏さまの教えを依りどころとして生きていくことが目的だと言えましょう。自己の人生を見つめなおしていくために、仏さまに向かい合う場所としてあるのがお寺なのです。

(第14組    本行寺    小谷    淳也)