「Q&A」別院とお寺の違いは?

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答え

 別院って寺院(町中にあるお寺)と何が違うんですか?と聞かれることがあります。大きな違いの一つはお寺の運営形態です。全国にある大谷派の別院の住職は、京都のご本山(東本願寺)におられるご門首(親鸞聖人の血縁の方)です。そして、各別院には職員として、住職の職務を代行する輪番職(責任者)と、日々の法務を務める列座職がおり、教化活動にあたっています。また、別院の運営に関わる事や予算などは、稟議にかけられ、ご本山の承認を必要とします。会社で例えると、本山が本社、別院が支社のようなものでしょうか。一方、寺院は、代々の住職とそのご家族がお寺をお守りしている事が多く、一寺院だけでなく、組(そ)という近隣寺院のグループ でもご門徒さんの教化活動に取り組んでいます。運営形態はお寺毎に異なるので、いわゆる個人商店さんのような形といえるでしょうか。

 大阪教区(大阪・奈良・和歌山・兵庫一部)には五つの別院と一つの支院があり、各別院の周辺地域を「祟敬(そうきょう)地域」として、別院を地域の教化活動の拠点と位置付けています。ただ、広範な祟敬地域の教化活動は別院職員のみでは出来ず、祟敬寺院のご住職やそのご家族の協力無しには成り立ちません。祟敬寺院と共に地域に密着した教化活動に取り組む拠点として別院が役割を担い、ご本山をお支えしています。

 別院は寺院よりも敷居が高いというお言葉も耳にしますが、互いにご本山を支え合う関係と言えます。また、いつでもどなたでも聞 法できる場であることは、ご本山、別院、寺院の共通するところではないでしょうか。

(第12組   慈恩寺   墨林   尚顕)