答え
大変大切なことに気付かれました。ブラシーボ効果(偽薬効果)という言葉があります。権威あるお医者さんからよく眠れる薬ですとビタミン剤(偽薬)を与えられて、自分でも効く薬だと思うことによって、よく眠れましたと。本物のように効果があるということです。
私が小学生のころ(昭和40年代)近くの商店街でくじ引きがあり初めて行くときに一度やってみようとお内仏へお参りしていきました。すると一等賞コーヒー牛乳一ケ月分が当たったのでした。お皿セットや春日神社初詣券など次々と当たり、これは効果があるのだと思い必ずお参りをしていきました。ところがそんなに世の中は甘くありません。だんだん当たることはなくなりました。それでようやくそこには何の因果関係もないことを知りました。これで済めばいいのですが「祈り」には実は大切なことがあります。よくご年配の方々が健康で病気もせず認知症にならず寝たきりにもならずぽっくり死にたいといわれる方が多くおられます。今でもよく聞く言葉です。またぽっくり寺というお寺も各地にあります。これは「未来」を救ってほしいという「祈り」です。浄土教の中にある「臨終来迎」も同じ意味 でしょう。しかし一番大切なのは「今」を救えるかということにあります。
私達は「老病死」の身をもって生きています。どうにもならない身を持つとそこには祈ることしかありません。しかしここからしか生きる道はないのです。祈りを大切に。
(第6組 専宗寺 本田 哲)